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第28話 アリアド王妃のお茶会で

last update Veröffentlichungsdatum: 21.09.2026 18:00:41

 そこから先のお茶会は、アリサが楽しむものだった。

 相変わらずアリアド国王妃様が積極的に発言しない中、アリサが中心となって会話が進んでいく。

 いつもの取り巻きたちではなく、貴族の婦人たちが相手だから、アリサもあからさまに笑い声をあげたりすることはせず、婦人たちを適度に持ち上げ、ちやほやされるのを楽しんでいるような、そんな雰囲気ができあがりつつあった。

 アリサは私を透明人間か何かのように扱うと決めたようで、最初の挨拶以降、一度もこちらを見なかった。

 婦人たちも、そんなアリサの<わざと話を振らない>というやり方を何となく察しているらしく、ちらちらとこちらを見ることはあっても、話し掛けてくることはない。

(令嬢たちとのお茶会よりは楽だけれど……。これはこれで、いいのかしら?)

 時間が経つにつれて、どうしてもアリアド国王妃のことが気になってしまう。彼女はずっと、こんなお茶会の様子を見守っているだけで、ほぼ発言をしていない。

 けれどこのお茶会の主催者は、彼女なのだ。

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     そこから先のお茶会は、アリサが楽しむものだった。  相変わらずアリアド国王妃様が積極的に発言しない中、アリサが中心となって会話が進んでいく。  いつもの取り巻きたちではなく、貴族の婦人たちが相手だから、アリサもあからさまに笑い声をあげたりすることはせず、婦人たちを適度に持ち上げ、ちやほやされるのを楽しんでいるような、そんな雰囲気ができあがりつつあった。  アリサは私を透明人間か何かのように扱うと決めたようで、最初の挨拶以降、一度もこちらを見なかった。  婦人たちも、そんなアリサの<わざと話を振らない>というやり方を何となく察しているらしく、ちらちらとこちらを見ることはあっても、話し掛けてくることはない。(令嬢たちとのお茶会よりは楽だけれど……。これはこれで、いいのかしら?) 時間が経つにつれて、どうしてもアリアド国王妃のことが気になってしまう。彼女はずっと、こんなお茶会の様子を見守っているだけで、ほぼ発言をしていない。  けれどこのお茶会の主催者は、彼女なのだ。(わざわざ、私とアリサを呼んだということは、何か話があったのではないのかしら?) ちらり、とアリアド国王妃の様子を窺う。と、丁度彼女と目が合った。  彼女はにこり、と笑むと、ようやく口を開く。「その黒い子が、貴女の神獣?」 「はい、そうです」 アリアド国王妃が話し始めると、がばりとアリサがこちらを向いた。  王妃はアリサを気にすることなく、ロロを見つめ話を続ける。「そうしていると、まるで普通の猛獣のようだわ。先程挨拶したときは、男性の姿をしていたわよね?」 「気分によって、この姿だったり、人の姿だったりするそうです」 「まぁ。神獣って、本当に不思議だわ」 柔らかい話口に、緊張して固くなっていた身体の力がわずかに抜ける。更に何かを言いかけたアリアド王妃だったが、アリサが横から割り込んできた。「本当に可愛いですよね!猫ちゃんは、私の自慢なんです!」 (私の自慢って……ロロは私と契約しているのに) まるで、自分の神

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    「おはようございます!神獣使い様!」、「神獣使い様!足下にお気を付けください!」、「ああ!お荷物は僕にお任せください!神獣使い様!」……。 レイが手配してくれたという護衛騎士・ミオは、ユロメア公爵邸に住み込みで、毎日つきっきりで私を護衛してくれていた。  毎朝きらきらした瞳で挨拶され、何処に行くにもついてきてくれて。ただ傍にいるだけでなく、重い荷物を持ってくれたり、他愛ない会話をしたり。彼は、存外するりとここでの生活に馴染んでいた。  ただひとつ、気になることと言えば――。「神獣使い様!お出掛けですか!」 ――そう、私を見上げてくる時の、この目だ。  ミオが私を見るときは、いつも純粋で期待に満ちた――というのだろうか?もの凄くきらきらとした、強い圧を感じる目をしているのだ。(言うなれば……憧れの塊?) 天使のようなまだあどけない彼にそんな眼差しを向けられると、毎回とても眩しくて仕方ない。「厩番の方が、馬車の整備をしているのを見ました!何処かへ出掛けられるのでしたら、絶対にこの僕をお連れくださいね!」 (なんだか、見えない尻尾をぶんぶん振られているような……。神殿騎士ってみんな、犬っぽく見えてしまうのは気のせいかしら……?) しばらく見ていない、レイと一緒にいるもうひとりの神殿騎士を思い出して、吹き出しそうになってしまった。  ミオが、きょとんと首を傾げている。「んんっ。なんでもないわ。ええと、馬車だったわね?」 「はい!お出掛けですか?」 「ええ。今日はレイに会いに行こうかと思って。後で一緒に、ローエングリン神殿へ行きましょう」 暗殺者に襲われた、あの夜以降……そろそろ1週間くらい経つだろうか?  私の身を案じる家族達に泣きつかれ、しぶしぶ屋敷の中だけで生活していたが……そろそろ、外の空気を吸いたい。  それに……レイには、聞きたいこともある。(あの時は、上手く誤魔化されてしまったけど……) どうしてあの場にレイがいたのか。私を襲った暗殺者はそ

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